それぞれ専門の職人によって作られた素材を、最後に門松に組んでいくのが『日本の門松』の造園職人です。門松に組む一連の流れは、小さいながらも和のお庭を造園する作法と同じです。ひとつひとつ異なる表情を持つ自然素材だから、それぞれの顔、姿形を見ながら、丁寧にかつ手際よく活け込んでいきます。菰を巻き最後に縄結びできりっと〆ると、門松に清々しい息が吹き込まれるように感じられます。
まずはじめに、「真」になる竹を活けます。桶の中央やや後ろに、垂直になるようしっかりと活け込みます。
削ぎの竹は顔があるので、垂直方向だけでなく、顔の向きも確認しながらの活け込み作業となります。
真砂土を入れて突き棒で固めます。このあとに松を活け込む素材の余地を考慮します。
松の枝も葉牡丹も1本1本、ひとつひとつ顔や姿が違います。それを見ながら活け込む作業では、築庭仕事でつちかった植物を扱う技が活きてきます。
大尺物はベテランの職人が活け込みます。
苔梅は棕櫚縄で竹に止めます。
若手職人も小さい門松から技を積んでいきます。
概ね作業が終わると、次はいよいよ菰(こも)を巻く作業です。
菰を巻き、縄を結ぶ作業は熟練の職人2人がかりの作業。正面を見据えてきりっと結び上げます。
『日本の門松』の「関西」では、仕上げに南天、金銀柳を挿し、しめ縄でしめくくります。いっきに華やかな迎春の趣となります。
仕上げに南天、金銀柳を挿します。
しめ縄でしめくくります。